LEATHER KNOWLEDGE
革バッグや財布、使い込むと何が起きているの?
本革のバッグや財布を長く使っていると、表面にツヤが出てきたり、色が深みを帯びたりすることがあります。
これを「エイジング」または「経年変化」といいます。プラスチックや合成素材にはない、天然皮革だけが持つ変化です。
なぜ革はこんなふうに変わるのでしょうか。そして、その変化が「きれい」と感じられるのはなぜなのか。今回は、そのしくみと背景をまとめました。

エイジングの仕組み
なぜ革は、使うほどきれいになるのか
革の内部には、無数の細かい繊維束が複雑に絡み合っています。新品のうちは繊維がバラバラな向きを向いていますが、使い込むうちに摩擦や圧力で少しずつ整列し、表面がなめらかになっていきます。
さらに、手が触れることで皮脂や汗に含まれる油分が革に少しずつ浸透し、繊維に潤いをあたえます。これが表面のツヤとなって現れるのです。
「使えば使うほど、自分の手や体になじんでいく」——革製品のエイジングとは、その人の使い方が刻まれていく過程です。まったく同じ財布でも、使う人によって変化のしかたが少しずつ異なります。

植物タンニン鞣し
エイジングを育てやすい、タン鞣し
植物に含まれる「タンニン」という成分を使って皮を革にする手法です。処理に時間がかかりますが、繊維の密度が高く、コシと硬さのある仕上がりになります。
最大の特徴は、エイジングしやすいこと。使い込むにつれて表面の色が飴色や茶褐色に深まり、独特のツヤが育っていきます。「ヌメ革」はタン鞣しの代表格で、白っぽい素顔から始まり、使うほどに色が深まります。

クロム鞣し
均一で扱いやすい、クロム鞣し
クロム塩を使った、現代の主流の鞣し方法です。処理が均一で短時間、軟らかく発色が豊かな仕上がりになります。
タン鞣しに比べてエイジングは控えめですが、耐水性が高く、カラーバリエーションが豊富で日常的に使いやすい特性があります。市場に流通している本革製品の多くがこの製法です。どちらが良い・悪いではなく、どのような使い方をしたいかで選ぶのが正解です。
革の種類
革といっても、こんなに個性が違う

牛革(カウハイド)
最も流通量が多い革。厚みと耐久性のバランスが良く、財布・バッグを問わず幅広いアイテムに使われます。きめ細かいものからざっくりとしたものまで、バリエーションも豊富です。

山羊革(ゴートスキン)
独特の細かい粒模様(シボ)が特徴的な革。牛革に比べて軽くてしなやかで、独特の風合いを持ちます。耐久性もあり、ファッション性の高いアイテムに多く使われます。

ヌメ革
植物タンニン鞣しで仕上げた革の総称。無染色のものが多く、はじめはナチュラルなベージュ色ですが、使い込むほどに飴色に変化していきます。エイジングを最も楽しみやすい素材として知られています。
革の財布・バッグ
エイジングを育てたい。そんな方に。
革は、時間をかけて自分のものになる。
革製品のエイジングは、偶然ではなく必然です。使う人の手が触れた場所、持ち方の癖、日々の小さな積み重ねが、一つひとつ革に刻まれていきます。
「まだ新しいから」と大事にしまっておくより、毎日使うことが、じつは革への一番のケアかもしれません。






































